過払い金返還請求における和解基準について
1、賃金業者の意図
愛媛弁護士会
当然のことながら賃金業者は、できる限り支払う金額が少なくなるよう交渉してきます。しかし、その一方で、賃金業者は裁判となれば賃金業者側が圧倒的に不利であることも自覚しています。
過払い金で貸金業者には勝ち目がないからです。
借り手が側が、いざとなれば訴訟も辞さないという覚悟と姿勢で、粘り強く電話交渉すれば、提訴前に過払い金の元本全額の支払いに応じてくることも珍しくありません。賃金業者の交渉文句は”弁護士に頼んだら2割はとられるんだから8割で和解しましょう”というものです。3回、5回と電話して交渉し、賃金業者に疎んじられるくらいまで頑張る気持で交渉してみましょう。多くの裁判が借り手側に有利であることに自信を持ち、強気の姿勢で交渉をすればいいのです。
現状では、クレジット、信販会社のほとんどが、5%の過払い利息無しの和解案であれば、提訴前でも過払い金元本全額の支払いに応じてきます。
大手のサラ金の場合、過払い金元本の8割を支払う和解であれば提訴前でも和解できることが多いようです。
ただし、遅延損害金、途中完済、当然充当、消滅時効などの法律上の問題点がある場合は、いくつかの賃金業者は和解に応じずに争ってきます。
2、減額して和解に応じる場合
過払い金返還請求の事案における一般的な和解基準や相場の様なものは特にありません。借り手自身が、賃金業者が提示する金額による解決に納得できる場合は、その金額を記入して、和解書を作成します。
また、賃金業者の提案金額に十分納得できないもののの、他の借り入れが残っているため、早期に過払い金を回収して、その借り入れの返済に回したい場合もあるでしょう。あるいは、過払い金を破産、再生の申し立てをする際の弁護士、司法書士費用、裁判所への予納金にあてることを予定している場合もあるでしょう。そうした場合は、裁判を避けてある程度の減額に応じて、早期に賃金業者と和解して過払い金を回収するという選択もありうると思います。
裁判で全額回収するとなると、時間、費用、手間がかかりますから、いくらか減額してでも早期に支払いを受けるメリットも、あるにはあります。裁判で必要となる時間や手間、コストと早期に回収するメリットを具体的に比較して考慮したうえで、どの程度の減額であれば納得できるか検討して下さい。


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